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[3]基本用語の説明(2) インターネットプロトコル

IPアドレス

ネットワーク上の機器を識別するために,各機器に番号を割り当てます. この番号のことをIPアドレスと呼びます. IPアドレスは32桁の2進数で,たとえば次のような数値です.

11000000101010000000000100000101

しかし,これでは桁が多過ぎてわかりにくいですね. そこで,32桁の2進数を8桁ずつ「.」(ピリオド)で区切り, 4つの部分をそれぞれ10進数で表します.

11000000 10101000 00000001 00000101

11000000.10101000.00000001.00000101

192.168.1.5


ネットマスク

32桁の2進数であるIPアドレスは,「ネットワークを識別する部分」と「1つのネットワーク内で機器を識別する部分」から成り立っています. たとえば,最初の25桁がネットワークを識別する部分ならば,残りの(32 - 25) = 7桁が1つのネットワーク内で機器を識別する部分となります. しかし,IPアドレスを見ただけでは「最初の何桁がネットワークを識別する部分であるか」がわかりません. そのため,ネットワークを識別する桁を2進数の1,1つのネットワーク内で機器を識別する桁を2進数の0とした数を導入します. たとえば上で述べたように,最初の25桁がネットワークを識別する部分,残りの7桁が1つのネットワーク内で機器を識別する部分であるときは

11111111 11111111 11111111 10000000

11111111.11111111.11111111.10000000

255.255.255.128

この数値をネットマスクと呼びます.よく見かける255.255.255.0というネットマスクは,最初の24桁がネットワークを識別する部分,残りの8桁が1つのネットワーク内で機器を識別する部分であることを表します.


デフォルトルータ(デフォルトゲートウェイ)

PC-AがPC-Bへデータを送信する場合,両PCが同じネットワーク内にあるときは,PC-Bへ直接データを送信します. PC-AとPC-Bの間にルータがあるときは,PC-Aはまず自分にいちばん近いルータに対し,PC-B宛のデータ送信を依頼します.

ある機器(PCやCentral Station等)にいちばん近いルータのことを「デフォルトルータ(デフォルトゲートウェイ)」と呼びます.PCをネットワークに接続する場合,IPアドレス,ネットマスク,デフォルトルータの最低3つの値を割り当てる必要があります.


ブロードキャストアドレス

1つのネットワーク内に接続されているすべての機器に,同一データを1度に送信することができます.FAXの同報通信のようなものです.このときに送信先として指定する特殊なIPアドレスを「ブロードキャストアドレス」と呼びます.


DHCP

ノートPCやiPad等を持ち歩くとき,場所が変わると接続するネットワークも変わります. そのたびにIPアドレス,ネットマスク,デフォルトルータの値を設定するのは大変ですね. 実は,それらの値を自動的に割り当ててくれる仕組みが用意されています. この仕組みを「DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)」と呼びます.

PCやCentral Station等で,「アドレスを自動取得」というような設定にしておくと,この仕組みが利用できます.ただし,そのPCと同じネットワーク上に,DHCPサーバが存在している必要があります.ほとんどのブロードバンドルータは,DHCPサーバの機能を持っています.

図3.1: Windows XPにおいてDHCPを使うための設定
図3.2: MacOS XにおいてDHCPを使うための設定


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